改めて感じる日本の精油の魅力
日本の精油に魅せられて10年余り。
「かおりと」を立ち上げてから6年ちょっと経ちました。
もともと香りが好きで、企業勤めのころに精神的にも精油に救われた経験もあるので、精油の魅力は十分理解していたつもりですが、日本の精油を扱うようになって、さらに精油って素晴らしいなと思うようになりました。
私が精油に出会ったころは、「アロマオイル」「エッセンシャルオイル(精油)」はふわっと同じくくり。
今のように明確に定義されていなくて、アロマ=精油という印象でしたが、
最近は
アロマオイル=合成、天然、希釈したものいろいろ
エッセンシャルオイル(精油)=天然
という定義が明確になったように思います。
日本の精油の魅力
さて少し話がそれましたが、なぜこんなにも日本国産の精油から離れられなくなったのか、という話。
まず最大の魅力は、品質の高さです。
日本国内で生産される精油は、原料の栽培から抽出、製品化まで一貫した管理が徹底されているものが多いです。
特に「かおりと」ではかなり厳選した精油を扱っているから余計にそう感じるのかもしれませんが、多くの植物は有機栽培や無農薬栽培で育てられていますし、もちろん添加物や合成香料を一切使用せず、100%ピュアなエッセンシャルオイルを抽出します。
そしてそのあとの工程でも、安くたくさん売れればそれでよいという考えは一切なく、自分たちの作った精油の価値を損なうことなく保管、流通させようという努力がうかがえます。
日本人ならではの几帳面さ、繊細さが、製品の質の高さにも表れているなぁと感じています。
二つ目の魅力は、新鮮さと香りの効果です。
国産精油は、抽出後、とても新鮮な状態で市場に出回ります。
世界各地からいろいろな様々な経路を経て日本に到着する精油よりも、何倍も早くエンドユーザーの手元に届けることができるのは本当に素晴らしいこと。
新鮮な状態=精油成分が変質したり損なわれたりしていない状態。
植物の持つ本来の香りや薬理作用がしっかりと保たれたまま。
そういう意味でも、新鮮な精油は、より強いリラックス効果やストレス軽減効果が期待でき、心身のバランスを整えるのに効果的だと言われています。
また、地域特有の植物を使用している点も大きな魅力です。
日本各地には、ユズ、ヒノキ、クロモジ、和ハッカなど、国内特有の植物がたくさんありますが、これらの植物を原料にした精油は、その土地で生まれ育った私たち日本人にとって、海外の精油よりも少量で大きく作用することもあると言われています。
アロマセラピーというと新しいもののように感じるかもしれませんが、日本の植物の香りは、日本人の体質や生活習慣に合った自然療法として、古くから親しまれてきました。
ヒノキ風呂、ユズ湯、和菓子のつまようじにクロモジ…などがその代表ですね。
香りを通じて地域経済に貢献する
さらに、国産精油を選ぶことは使う側のメリットだけではなく、地元経済の支援にもつながっています。
国内の農家や小規模生産者が育てた植物をから生まれた精油を使うことで、間接的に地域の産業を支援し、持続可能な農業や林業の発展に貢献できます。
また、精油を作る現場を見学に行く、その前後にその地域で食事や買い物をする、宿泊をすることは、香りを通じて、経済の循環に貢献しているのです。
また、エコフレンドリーな選択であることも、国産精油の大きなメリットです。
先ほども少し書きましたが、海外から入ってくる精油と比較して輸送距離が短いため、輸送中に発生する二酸化炭素の排出量が少なく、環境への負担を減らすことができますし、地元の植物を使用することは、その地域の環境整備、保全にもつながります。
香りを通じて伝統と文化を感じる
最後に、日本の精油は、日本の伝統と文化を尊重する商品です。
日本の植物から生まれた香りは、日本人の感性に響くような繊細で奥深い香りを持っています。
私は、日本の固有植物の精油の香りを嗅いだ時、「あぁ、日本人で良かった」と思うことがあります。
日本の木々のほのかな香りの違いを嗅ぎ分けて、使い分けることができるのも、繊細と言われる日本人だからこそなのかもしれません。
こうやって日本の香りをセラピーに取り入れることは、単にリラクゼーションだけでなく、香りを通じた文化体験としても楽しむことができますから、最近はインバウンドの方向けのワークショップで、「かおりと」の精油を使っていただくことも増えてきました。
アロマセラピーという海外から入ってきた文化なのに、日本の精油を使うことで日本の文化に触れていただけるのは、すごいことだなぁと思っています。