香りの物語:ブレンド精油『たゆたう』
行ったり来たりする気持ちの揺れを受け入れる香り”たゆたう”
その揺らぎは、ホメオスタシスを保つための振り子のよう…
すでに廃番になった香りなのですが、個人的に思い出深いブレンドです。
このブレンドは、何度目かの九州に向かう飛行機の中で考えた香り。
すっきりシャープな香りのクスは宮崎で育ち、その亜種である甘く優しい香りのホウショウは鹿児島で育ちます。
そしてホウショウの種を撒くと、一定数はクスに先祖返りするのだそう。
同じ母から生まれても、違う種として育っていく…
それが良い悪いではなく、私たちの運命もちょっとしたことで全く違う道につながってゆくのかもしれないと気付かされました。
当時私は、自分で選んだわけではない道を進むしかない状況で、ホウショウの種の運命に自分を重ねていたのかもしれません。
現代社会という大海原を行く私たち。
時には荒波もあると思うのですが、荒波に立ち向かい座礁してしまうのではなく、上手に波に乗りゆらゆらとたゆたう。
そんな生き方が今の時代には必要なのかもしれません。
良いことが続いて幸せな時。
上手くいかなくなって辛い時。
気持ちは揺らいで当然ですが、揺れ動く感情や、行動が許容範囲を超えてしまいませんように。