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BLOGブログ

篠山のサクラの物語

2018.04.24

エピソード

クスノキから繋がった篠山のサクラ

”かおりと-kaorito-”でも、精油の蒸留を手掛けることを決めたタイミングで、御神木のクスノキから精油を抽出できないかと相談を受け、関わることになったのですが、以前からつながりのあった篠山のT氏もまた、木のプロプロフェッショナルとして御神木のプロジェクトに関わっておられます。

 

蒸留に使うクスノキの枝葉。

 

そのままでは蒸留ができないため、T氏にチップにして頂くことになり、何度かやりとりをしている中で、「桜、蒸留しませんか?」とお話を頂いたのです。

 

桜には”クマリン”というよい香りの成分が含まれています。桜餅の香りと言えばわかるかな。

 

通常桜は伐採しませんが、大人の事情により蕾がついた枝を落とさなければならないこともあり、よい香りのする蕾月の枝を活用できないかとのこと。クマリンを抽出できればよいのですが、水蒸気蒸留法では難しいため、サクラの精油はどこにも存在しません。

 

最近はいろいろな蒸留技術が進んでいるので、花を低温の真空装置に入れ水溶性の成分を取り出しているメーカはあるんですけどね。そんな高価な装置、うちにはありません。

 

でも、桜。やりたいじゃないですか。

 

サクラとご対面!

 

「これが桜です」と案内された先には、ドラム缶よりも大きい袋が何個も積まれた場所。えぇ!!!スケールでかすぎません?

 

「あと2,3日もすれば発酵が始まって、カブトムシに分解をしてもらって土壌改良剤になるだけなんです」とT氏。袋を開けるとクマリンのよい香りがふわわ~っ。むせ借るほど濃厚な香りに、この香りは閉じ込めたい!と血が騒ぎ、実験的にフローラルウォーター作りを決意。クスノキと一緒に持ち帰り蒸留となりました。

 

それぞれ10キロくらい、と言っていたクスノキとサクラ。気づけばそれぞれ20キロくらいのチップを車に積んでくださっていました。

 

すぐに戻ってきて早速蒸留すると、一面に立ち込める濃厚な香り。本当は外に香りを漏らさず閉じ込めないとダメなのですが…これはすごい!

 

精油成分は一切浮いてきませんでしたが、ウォーターのポテンシャルは相当のもの。蒸留したて、1日後、2日後と香りを確認すると、日を追うごとに青臭さが抜け、優しい香りに変化します。むせかえるような濃厚さも和らぎ、本当に奥ゆかしい香り。

 

3週間経ち・・・別件で篠山のT氏と会う機会があったので、二人で香りの確認を…

 

「これは、桜そのもの!個数限定だけど7月から販売やな!」

 

T氏のお墨付きももらいましたので、7月をお楽しみに!