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小野八幡神社御神木 くすのき精油の物語

2018.07.29

エピソード

どうしてもクスノキの香りを残したい

 

 

兵庫県神戸市中央区にある”小野八幡神社”は平安時代の創建で、源平合戦ゆかりされている場所。

時代の流れか、境内の一部にマンションを建設するという苦渋の決断をされました。

ご縁とは不思議なもので、かおりとを立ち上げるにあたり「思い出を香りに残す」ための仕組み作りがほぼ出来上がったタイミングで、小野八幡神社の御神木でるクスノキから精油を抽出できないかと相談を受けたことがこの物語の始まりです。

 

クスノキ精油の抽出に着手

 

どうしても香りを残したい。

 

ご本人の神職であり歌い手の涼恵さんと初めてお会いした日、言葉以上の香りに対するお気持ちが伝わり、引き受けさせて頂くことにしたものの、クスノキの精油の抽出は温度管理などが少し難しく、国内で手掛けておられるのは”天然樟脳”を作っている大規模な場所ばかり。

 

おつなぎすることも考えましたが、幹の部分は建材として使用するため精油に使えるのは直径3センチ以下の枝葉のみということ、単に精油を抽出するという行為ではない”想い”の詰まったプロジェクトであることから、かおりとの精油抽出装置を使って代表古山自らが抽出を致しました。

 

クスノキの枝葉は、兵庫県篠山市に拠点を構える”八百材舎”にお願いし、精油抽出に適した大きさのチップに加工を。

 

蒸留に使う水は、御神木にふさわしいものを。京都府亀岡市にある出雲大神宮の宮田宮司に事情を説明し、真名井の水を分けて頂きました。

 

 

クスノキを切ってから1か月以上経過していたこと、その間野ざらしの状態で保管されていたことから、採油率がかなり低いことは覚悟していましたが、香りのよいクスノキ精油と、クスノキウォーター(芳香蒸留水)を抽出することができました。

 

>小野八幡神社御神木クスノキ精油とウォーターはこちら

 

精油作りの次のステップへ

 

通常の精油抽出はここで終了となりますが、かおりとの取り組みはまだまだ終わりません。
むしろ、いろいろな方面へのつながりを持ったかおりとの本領発揮はここからなのです。

 

精油を抽出した後のチップ(通常は破棄されたり、飼料や土へ還元)は、再び”八百財舎”へ。土作りのプロの手で土に戻してもらい、小野八幡神社の土地へ返す予定です。

 

そして、もう一つの取り組み。

 

精油を抽出した後のチップを鍋から出した後に残っている水。この水こそ他では廃棄処分するのですが、何一つ無駄にしたくないのが”かおりと”の考え方。

木の色素たっぷりのこの水を使って草木染めのストールをご用意させて頂きました。

 

この染料となる水は副産物の為、量が多いわけでもないので、外部への委託はせずかおりと施設内でゆっくり手染めをします。

 

草木染は何を染めるか、鮮やかにしたいかシックな色にしたいかに合わせたいくつかコツがあります。また、木綿、絹など繊維により染まり方が違いますので、染め上あげ、乾くまでどんな色になるかも分かりませんが、それもまた楽しみの一つです。

 

家の思い出の木を切らざるを得ない、育ちすぎて使いきれないハーブ、家を建てた時の端材…

 

精油や芳香蒸留水として残し、香りに包まれる幸せな時を。

 

そしてその副産物から生まれた、染め物を身にまとう幸せを。

 

抽出が終わった植物は家や畑の土に戻し、その土地で暮らす幸せを。

 

かおりとは、香りを軸に大切な思いを繋ぎます。

 

>小野八幡神社御神木クスノキ精油とウォーターはこちら