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ヒノキ精油の魅力を知って、違いがわかる人になる。

2025.10.20

日本産精油(アロマ)紹介

ヒノキの香りにふと心が安らぐ瞬間。

仕事と家事の合間、深呼吸したくなるような自然の香りを部屋に広げてみたい。そんな気持ちから「アロマを取り入れてみたい」と思っても、最初の一歩でつまずいてしまう方も多いのではないでしょうか。

「ヒノキ精油」と検索してみると、いろんな種類があることに気づきます。
「木部?葉?減圧?常圧?…どう違うの?」と、戸惑ってしまった方へ。

今日は、違いが分かる人になれる「ヒノキ精油の種類と選び方」をご紹介します。
香りの違いはもちろん、どんな気分のときにどれを選べば良いかも解説していますので最後までお付き合いください。

毎日に、自分らしい香りをひとつ。
そのきっかけになれたらうれしいです。

ヒノキ精油ってひとつじゃない?―知ることで見つかる“私だけの香り”

最近、国産アロマが注目されています。
その中でも「ヒノキ」は、安心感のある香りとして人気の精油です。

でも実は、「ヒノキ精油」とひとくちに言っても、部位によって香りは大きく変わります。

  • 木から採れる精油(木部)
  • 葉っぱから採れる精油(葉)

さらに、木部精油は抽出の方法によっても香りが違うのです。

「かおりと-kaorito-」では、この違い大切にしながら、森の恵みそのものを届けるアロマづくりをしています。

森の時間を閉じ込めた、かおりと-kaorito-のヒノキ精油

原料と製法に、森への敬意を込めて

木を切る様子

「かおりと-kaorito-」のヒノキ精油は、奈良と和歌山の山で丁寧に手入れされた木々からつくられます。

  • 木部精油(奈良県):建築用の角材、製材の際に出る端材を活用
  • 葉精油(和歌山県):間伐や枝打ちで山に残された葉を丁寧に採取

抽出には、「減圧蒸留」と、「常圧蒸留」の2つを使い分けています。

とくに減圧蒸留では、奈良県で建築用の角材をじっくりと乾燥させる工程の中で、木に負荷をかけずに自然に揮発してくる香り成分を丁寧に回収しています。
高温で一気に乾燥させれば、もっと多くの精油が採れるかもしれません。けれど、それでは木材の質に影響が出てしまうこともある。
だからこそ、「かおりと-kaorito-」では、木の本来の力を大切にしながら、香りも暮らしに届けられる道を選んでいます。

常圧蒸留では、製材時に出る端材を細かく粉砕し、水蒸気でゆっくりと蒸留することで、木そのものの香りをじっくりと引き出します。

同じヒノキでも、まるで性格が変わったように香りが違ってくるのは、この製法によるものです。

ヒノキ精油の種類と香りのちがい

ヒノキ木部精油の原料

ヒノキ木部精油(減圧抽出)

抽出方法・産地:減圧式蒸留/奈良県

香りの印象

清らかで透明感のある香り。ヒノキ風呂のような明るくすっきりとした木の香りがやさしく広がります。

主な成分と比率

  • α-ピネン:約30%以上
    森林の空気のような清涼感を生む成分。気分の切り替えや空間を整えたいときにぴったりです。
  • カジネン・カジノール:各6%前後
    ウッディで芯のある香りの土台。防虫・防腐の性質で知られ、空間に“清潔感”と“安心感”を添える香りです。

こんなときに

  • 朝の目覚め、頭をスッと切り替えたいとき
  • 客前・仕事前の空間リセット
  • 軽やかな木の香りを楽しみたいとき

ヒノキ木部精油(常圧抽出)

抽出方法・産地:常圧蒸留/奈良県

香りの印象

深みのある、しっかりとした木の香り。少し湿った木肌を思わせるような、落ち着きと温かみを感じさせます。

主な成分と比率

  • カジネン:約15%/カジノール:約10%
    重厚で力強い木の香りを支える成分。空間に深みと安定感を与え、掃除やリネンのお手入れ時にもおすすめ。
  • α-ピネン:約10%
    すっきりした印象を残しつつ、バランスの取れた香りに。

こんなときに

  • 夜のくつろぎ時間に
  • 心を静かに落ち着かせたいとき
  • 森の中で深呼吸するような時間を過ごしたいとき
ヒノキ葉精油の原料

ヒノキ葉精油

抽出方法・産地:水蒸気蒸留/和歌山県

香りの印象

青みがかった清々しさと、わずかに柑橘を思わせる明るさ。すがすがしく広がる香りが気分を軽くしてくれます。

主な成分と比率

  • サビネン:約13%
    森の若葉のような清涼感ある香りに寄与。清潔で透明感のある空間づくりにおすすめです。
  • 酢酸テルピニル:約12%/酢酸ボルニル:約8%
    やわらかさと上品さ、ほのかな甘さで気分をゆるめるような印象を与えます。
  • リモネン・γ-テルピネン(微量)
    柑橘に含まれる明るくはじけるような香りで前向きな気分に。

こんなときに

  • 朝、気持ちをシャキッと整えたいとき
  • 集中したい仕事や勉強の前に
  • 曇り空の日、部屋の空気を明るくしたいとき

比較・早見表

精油タイプ主成分比率香りの印象向いているシーン
木部(減圧)α-ピネン多(30%超)清らか・軽やか朝・空間リセット・明るい気分
木部(常圧)カジネン・カジノール多深み・落ち着き夜・読書・静かな時間
サビネン・酢酸テルピニルほか青く清涼・ほんのり甘さ朝・集中・空気を変えたい時

成分の比率や香りの方向性を知ることで、「どれが今の自分に合っているか」が見つけやすくなります。
ヒノキ精油は“どれも同じ”ではありません。そのちがいを楽しみながら、自分に合う一本を見つけてみてください。

本文中でご紹介した精油


このブログは、「国産アロマの専門店かおりと-kaorito-」代表 古山順子が執筆しました