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日本におけるラベンダー精油の歴史と品種
ラベンダーが日本に導入されたのは1937年(昭和12年)。栽培地として北海道、千葉、岡山などが候補に挙げられましたが、最終的に北海道の冷涼な気候が適しているとされ、栽培が広まりました。

その中で、香りが豊かで搾油率も高い優良株を選抜・保存することで誕生したのが「オカムラサキ」です。
オカムラサキは学名Lavandula angustifolia ‘Okamurasaki’avandula angustifolia ‘Okamurasaki’)からもわかる通り、真正ラベンダー。
背丈がやや高く、花の色は淡い紫。アロマセラピー業界では「北海道のラベンダー=オカムラサキ」と言われるほど、広く知られています。
かつて北海道では香料会社が中心になってラベンダーの栽培をしていましたが、合成香料への切り替えなどにより、日本での天然香料製造が下火になったため、一度は精油の製造がなくなってしまいます。
「かおりと」では、北海道のラベンダー精油の歴史をたどる中で、初めて日本にラベンダーの種が入ってきた時からオカムラサキを栽培している地域にたどり着きました。
何度も連絡を取り、最後には半ば強引に現地へ出向き想いを伝えた結果、国産ラベンダー精油をラインナップに加えることができるようになりました。
歴史と伝統のあるラベンダー栽培を辞めずに観光農園として残していたこと、そして先人の努力を無駄にしてはいけないと精油の抽出を続けてきた産地の皆さんの思いがあったからこそ、こうやって使えることには感謝しかありません。
なお、近年になって天然精油の価値が見直され、北海道以外でもラベンダーの栽培がおこなわれています。
かおりとのラベンダー精油の成分と香りの違い
国産ラベンダー精油(オカムラサキ)の主成分は、ラベンダーの主産地であるフランスが定めるIOS規格にほぼ当てはまっています。
(Lot.21101の成分分析データによる/より詳しい成分は商品ページをご覧ください)
- 酢酸リナリル:約35%前後
→ 鎮静作用があり、心を落ち着ける香りのベースになる甘く華やかな香り - リナロール:約20%前後
→ 抗菌・抗ウイルス作用に加え、鎮静作用もあるフローラルグリーンの香り
この2つの成分はラベンダー精油の中心的な香気成分ですが、数値だけを見ると海外産との大きな差はないように見えます。
でも、香りの印象はまったく異なります。これは、微量成分の比率や構成の違いによるものです。

精油の香りは本当に不思議で、成分分析表では計り知れない香りの表情があります。
仮に、成分分析表どおりに成分を調合して作っても同じ香りにならないことは、調香師の間ではよく知られていることで、分析結果に出てこないような超微量成分や成分のバランス、絡み合いが自然の美しい香りを作っているのだと思います。
海外のLavandula angustifolia種は、産地によって香り成分のばらつきが大きく、香りの安定性に注意が必要です。
それは、シソ科の植物が自然交配しやすく、土地の影響を受けて変異しやすいというのも理由の一つ。同じ品種でも香りが大きく変わることがあります。
精油を選ぶ際には、品種だけでなく、「どこの産地か」「どんな成分が含まれているか」まで確認したり、実際に香りを確認してから購入できるのがベストですが、購入するときに成分がよくわからなければ、どんな香りの印象かを質問してみるのもよいと思います。
ラベンダーの品種による香りの違い
品種名 | 学名 | 香りの特徴 |
---|---|---|
オカムラサキ(国産) | Lavandula angustifolia ‘Okamurasaki’ | 濃厚・力強い・華やか・深み |
コイムラサキ/ノウシ(国産) | Lavandula angustifolia ‘Koimurasaki’ | 香りが弱く香料には不向き |
トゥルーラベンダー(海外) | Lavandula angustifolia | 柔らか・甘め・軽やか・ スパイシーなど様々 |
ラバンディン(交配種) | Lavandula × intermedia | スパイシー・シャープ・大量生産向き |
「かおりと」のラベンダー精油は、オカムラサキ80〜90%、残りはコイムラサキ。
観賞用も兼ねたラベンダー畑で、その年に育ったものをすべて蒸留するため、割合は若干変動します。
「かおりと」の国産ラベンダー精油はこんな方におすすめです
- ラベンダー精油は好きだけど、香りが物足りないと感じる方
- 精油の品質や産地にこだわりたい方
- ブレンドで香りの輪郭をしっかり出したい方
- 香りの安定性を求める方(産地・品種が明確な精油を選びたい)
商品紹介:国産ラベンダー精油(オカムラサキ)
ラベンダー精油の香りの深さと華やかさを、ぜひ体感してみてください。
代表古山のラベンダー精油の使い方やブレンド例は、アロマログでもご紹介しています。
▶︎ ラベンダー精油の“幸せな時間”の使い方(代表ブログ)